グラップラー簿記の資産形成

帳簿上最強の生物を目指す男のドタバタ資産形成奮闘記です。

蕎麦があればこそ。

節約術、貯金方法、仕事の進め方などいろんなジャンルで素晴らしい記事を書き、書籍も出されたカリスマブロガーのittinさんですが、最新記事でモヤっとしてしまいました。

 

ittin.blog.fc2.com

 

引越し業者4社から相見積りを取り、最終決定するまでの交渉過程を詳細に書いています。

引越しを検討されている方にとっても、手続きの進め方の参考になる記事だと思います。

・ネットの相見積りは不要な情報まで取られる

・事前にダンボールや白物家電の数を伝えるとスムーズ

・オプション削減で費用を安く抑えられる

などなど

 

フェイクも入れているかもしれませんが、最終的に最安の1社に決めたようです。

最安のところにお願いするのは当然だと思います。でもちょっとやりすぎなのでは?と思ってしまいました。

 

今回、疑問に感じたのは「感想」以下の記事です。

ただ…。トラックのドライバー、新居までのガソリン代、作業員4名分の賃金、トラックの占拠コスト。
例え混載便であったとしても、それを差し引いても利益が出るか客ながら心配になる価格である…。 

ついつい習性で値引いてしまいましたが、D社さんが行った過度な値下げは業界の価格破壊につながるのではないか、という懸念がある。

『 客ながら心配になる価格』とわかっていながら、相見積りを取った中で破格だったD社に対し、「即決」というニンジンをぶら下げて3,000円の値下げ要求をしたのはなぜ?

価格破壊につながる懸念があるにも関わらず。


記事内に具体的な距離や作業時間が記載されていないので試算のしようがありませんが、「遠距離(地方をまたぐ移動)」のようなので配送費でかなり持っていかれてしまうのではないかと思います。

仮に500kmの移動であればガソリン代だけで6,000円程度かかります。

 

(どこの業界とは言わんが)シェア独占による不当な価格つり上げもそうだが、過度な価格破壊も業界の衰退や従業員の過労を招くんだよね。
不当に高い「利益を上げるための」商品やプランが出てくるとも限らない。投信や保険のように…とは言わないが。

なので、おいそれと「引っ越し費用を安くしたいのなら相見積もりを取ろう!」とは推奨できない結果となった。

価格破壊は業界の衰退や従業員の過労を招くって、そりゃそうです。

ittinさんが最後に値下げした3,000円で作業員4人分の昼食代になったのではないでしょうか。ittinさんが引っ越し作業後に3,000円かそれ以上の蕎麦を振る舞っているのであれば話は別ですが。まぁ引越し業者からすれば現金でもらいたいだろうけど。

相見積りを推奨できないのであれば記事にしないほうがいいのではと思っていたところ、文末に注記がありました。

 

※この記事はあくまで個人の引っ越し体験を記したものであり、相見積もりや業者への価格交渉を推奨するものではありませんので誤解なきようお願いいたします。

文末にこの一文が記されていますが、これで免責なのでしょうか。

「相見積りとって価格交渉したらここまで安くなった」という記事を読んで、自分の引越し時は参考にしようと思う読者は多いと思います。

書籍も出され、一定数のブログ購読者がいるittinさんの記事はとても影響力があると思いますので、「推奨するものではない」と書いたところで実行する人はいるでしょう。

「客ながら心配になる価格」で契約する人が増えれば、書かれている通り業界の衰退を招きます。

 

 

人の引越しにわざわざ口を挟むのは失礼と自覚しながらも、過度な価格競争に反対する思いで書いてしまいました。

こんな記事を書いたのには理由があります。10年ぶりに会った友人から引越し業者の待遇の悪さを聞いていたからです。

個人のお客様に合わせた不規則な勤務時間かつ長時間労働、たまに引越し作業にも駆り出されて休む暇がないうえに、給料も低く、2年ほどで辞めてしまったと聞きました。

彼が辞めてしまったこととittinさんの記事は直接の関係はありませんが、底の方で繋がっていると思います。

引越しは単純作業なので価格競争に陥りがちですが、その先には闇があります。

 

価格競争の闇は、いつかのスキーバスツアー事故のように悲惨な事故に繋がることもあります。

従業員を犠牲にした低価格なサービスはこの世界にたくさんあり、僕も意識していないところでそういったサービスを受けていると思います。

異常な価格だと気づけたときには、そのサービスを避けるようにしていますが。

 

意識的にも無意識的にも、安いほう安いほうへと消費者が誘導しすぎると、価格破壊に繋がります。

消費者ひとりひとりが、サービスに対し適正な報酬を支払うという意識を持つようになれば少し明るくなっていくのではないでしょうか(適正な報酬って誰が決めるの?)。

 

高尚なこと書いていますが、自分が引越しをするときに3万も差がある見積りがきたら葛藤すると思います。

教えてくれるとは思えませんが、費用の内訳を詳しく聞いて納得したうえで判断したいです。

記事でしか判断できませんが、C社の営業スタイルが素晴らしいので、ちょっと値下げしてもらってC社にお願いしたいですね(値下げ要求するんかい)。

 

引越しに限らず、気持ちのいいサービスを受けて、気持ちよくお金を支払いたいです。


蕎麦をすする度に、ittinさんの記事を思い出すかもなぁ。