コスト削減もほどほどに
家計も企業も、手元により多くのキャッシュを残すには2つの方法しかないです。ひとつは収入を増やすこと、もうひとつは支出を減らすこと。
極端な話ですが、家計は破綻しても生活保護の制度があるので餓死することはありません。生活保護世帯がまた過去最高を更新したようですね。しかし企業は利益が全てでありお金が回らなくなれば死にます(もちろん国からの再建支援もありますが)。
企業がなんとか食いつないでいくためにコスト削減が行われるのは当然のことです。ある企業がコスト削減をすると、その「無駄とみなされたサービス」で給料を得ていた人は仕事を失います。誰がみても無駄と思われるものであれば削減すべきですが、自分が働くようになってから「ちょっとやりすぎでしょ大手さん」としばしば思う。
どこのト〇タさんか知らないけど、仕入先に対して毎年値下げ交渉してるそうです。毎年やってれば値下げのためのネタもなくなるでしょうに。そもそもいくら値下げ交渉したとしても原材料コストがゼロになることは100%ないです。それを承知でやっているとしたらまぁ鬼ですね。自分たちと仕入先の双方にメリットのある付き合いをすべきだと思います。そのギリギリの交渉を知らないので偉そうなことは言えませんが。
社会全体の成長が見込めないこの国で、今までの利益水準を保つのはほどほどにしておいたほうがいいと思うんです。今日より明日、今年より来年に希望があった昔の日本とは違います。個別で見れば成長が続く企業ももちろんありますが、社会全体でみれば縮小は加速していきます。パイが縮小し売上が減っていくうえにコスト削減を求められるなんて、死ねと言われているようなものです。
適切な値上げ適切な賃上げ、日銀目標の2%インフレを目指すべきであり、そのためにまず過度なコスト削減はやめませんか?生かさず殺さずはやめてください、江戸時代じゃないので。